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『キングスマン』感想・評価【後半ネタバレ解説】キレキレのアクションで送る新たなスパイ映画

2020 7/09

キングスマン 公式Facebook

2015年9月11日公開の映画『キングスマン

新たなスパイ映画として、ぶっとんだアクションが話題になっています。

キングスマンシリーズの一作目として、高評価を得ている今作について解説していこうと思います。

Contents

評価

4.4

評価基準について

アクションや派手な演出、ユーモアの効いたやりとりなど…見どころが多い素晴らしい映画です。バーでのシーンは必見。

あらすじ

22歳になったゲイリー・エグジー・アンウィン(タロン・エガートン)は大学を中退した後、無職のまま母のアパートに同居していた。

彼の前に現れたのは、かつてエグジーの父に命を救われ幼いエグジーにメダルを手渡したハリー・ハート(コリン・ファース)だった。

ハリーはエグジーをサヴィル・ロウにある高級テイラー「キングスマン」へ連れていく。

普段はここで仕立て職人として働くハリーの裏の顔は、秘密裏に活動する国際的な独立諜報機関キングスマンのエージェントだった。

アーサー(マイケル・ケイン)をリーダーとするキングスマンは、 チームの一員が惨殺され、欠員を補充しなければならなかった。

一方、ハリーはその頃、優秀な学者や科学者、芸能人が次々と失踪を遂げる事件の謎を追っていた。

首謀者として浮上したのは、天才的エンジニアでIT富豪のリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)。

果たしてエグジーは、キングスマンの新エージェントに、そして真の紳士になることができるのだろうか・・

スタッフ・キャスト

スタッフ

監督:マシュー・ヴォーン

キャスト

ゲイリー・エグジー・アンウィン
タロン・エガートン
主人公
ハリー・ハート
コリン・ファース
エグジーの
師匠
アーサー
マイケル・ケイン
エグジー達の
上司
リッチモンド・ヴァレンタイン
サミュエル・L・ジャクソン
イカれた敵
ガゼル
ソフィア・ブテラ
義足の女
マーリン
マーク・ストロング
メカ担当
ミシェル・アンウィン
サマンサ・ウォマック
エグジーの
母親
ディーン・ベイカー
ジェフ・ベル
ミシェルの
再婚相手
ロキシー・モートン
ソフィ・クックソン
エグジーの同期
いい奴
チャーリー・ヘスケス
エドワード・ホルクロフト
エグジーの同期
嫌な奴
アーノルド教授
マーク・ハミル
爆発した人
ディルデ王女
ハンナ・アルストロム
ヴァレンタインに
誘拐された王女
リー・アンウィン
ジョノ・デイヴィース
エグジーの
父親

キャストについて

主人公のエグジーを演じたのはタロン・エガートン

彼はイギリス出身の俳優で『SING』や『ロケットマン』などに出演する俳優です。今作のヒットにより一躍有名になりました。

エグジーの師匠で相棒でもあるハリーを演じたのはコリン・ファース

彼もイギリス出身の俳優で、2010年公開の『英国王のスピーチ』では、吃音に悩むジョージ6世を見事に演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。

他にも『マンマ・ミーア!』『ブリジット・ジョーンズの日記』や、2020年公開の映画『1917 命をかけた伝令』に出演しています。

イカれた敵ヴァレンタインを演じたのはサミュエル・L・ジャクソン

彼は多くの映画に出演しており『スター・ウォーズ』ではメイス・ウィンドウ役。『アベンジャーズ』シリーズではニック・フューリー役で出演。

ちなみにスター・ウォーズでは、監督のジョージ・ルーカスに直訴して出演が決まったそう。彼の紫のライトセーバーも、他の人と違う色を望んだためだそうです。

メカ担当のマーリンを演じたのはマーク・ストロング

イギリス出身の俳優で、日本のファンから「つよし」と呼ばれています。名前がストロングだからです。

2019年公開の映画『シャザム』ではヴィランとして出演。『1917 命をかけた伝令』ではコリン・ファースと共演しています。

キングスマンのリーダー的存在アーサーを演じたのはマイケル・ケイン

彼はクリストファー・ノーラン監督作品に多く出ており、そちらの方で詳しく書いています。

ヴァレンタインの部下であるガゼルを演じたのはソフィア・ブテラ

彼女は女優業やダンサーとしても活躍しており『スター・トレック BEYOND』や『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などに出演。

アーノルド教授を演じたのはマーク・ハミル。彼は『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役が有名です。

てかそのイメージが強すぎて他があんまりわかりません。ジブリ映画『天空の城ラピュタ』ムスカ大佐の吹替の声を担当しているそうです。

キングスマンのベテランスパイであるランスロットを演じたのはジャック・ダヴェンポート

彼は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのノリントン提督役が有名です。ヒロインのエリザベスに求婚していますが、結局取られてしまいました。

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感想・解説

良かった点・気になった点

とにかくアクションがド派手で凄く、最高のスパイ×アクション映画だと感じました。

今作はアメリカのアイコン・コミックス出版の「The Secret Service」が原作。

このアイコン・コミックスというのは、マーベルのレーベルの一つで、権利は漫画の作者に与えられるため、マーベルが製作しているわけではありません。

スーツ姿で戦うシーンは英国紳士のようなかっこよさだったり、適度にコメディ要素も入っており、テンションを上げてくれる映画だと思います。

今作では主人公のエグジーが、独立諜報機関「キングスマン」になる過程を描いているので、彼の成長を楽しむこともできます。

こういったオリジンを描く映画は、序盤は激しい戦闘シーンやアクションは少なめな事が多いですが、今作は序盤からぶっ飛んでます。

エグジーがチンピラたちから逃げる時に「パルクール」を使って逃げたり…

みなさん好きだと思いますがバーでの戦闘シーンだったり、教会での激しいアクション。さらに花火の映像は独特な演出で迫力があります。

最初見た時は笑いましたが。

全体を通しても非常に見やすい感じになっており、飽きさせないように所々にアクションやユーモアを織り交ぜた素晴らしい作品です。

ブローグではなくオックスフォード

オープニングは1997年の中東から始まります。ハリーとマーリン、ランスロットとエグジーの父親が任務に来ていたのですが、敵が手榴弾を隠し持っており、自爆。

その時エグジーの父親が仲間を庇い命を失います。マーリンも現場に出ていたので、昔は戦闘員だったのかもしれません。

ハリーはエグジーの父親の死を、エグジーの母親に報告。勲章としてメダルを幼いハリーに渡します。メダルの裏には番号が書いてあり、困ったら連絡するようにと。

合言葉は「ブローグではなくオックスフォード」だと。

最初は意味が分かりませんでしたが、これは後にハリーが説明しています。ブローグと言うのは靴の種類で、靴に飾りの穴が空いているカジュアルな場面で使用するような靴の事です。

それに対しオックスフォードは、飾りのないつま先が固い靴プレーントゥの靴をオックスフォードと呼ぶそう。

スーツでバシッと決めるようなスタイルには、やはりオックスフォードが似合いますよね。

マーク・ハミル本人?

映画冒頭でアーノルド教授が拉致され、それを救う為にキングスマンのメンバーであるランスロットが雪山の小屋に向かいます。

アーノルド教授を演じているのは『スター・ウォーズ』でおなじみマーク・ハミル。実は原作の漫画でも攫われるのはマーク・ハミル本人だそう。

映画にも本人を登場させちゃうというユーモアの効いた演出は好きです。

ちなみに原作ではベッカムレディ・ガガなども出演しており、映画のオファーをしたそうですが断られたらしいです。

マナーが人間を作る

再婚相手の部下のチンピラの車を盗み事故を起こした事で、警察に捕まったエグジー。その時にあのメダルを思い出し、電話を掛けます。

するとすぐに釈放され外で待っていたハリーとバーで話をします。父親は勇敢な人だったと。そんな話をしている最中に例のチンピラ達がやってきます。

ハリーはあまりもめ事を起こしたくないと、店を出ようとするのですが、チンピラが挑発してしまい、店のドアに鍵をかけます。

ついにやってきましたこのシーン。めちゃくちゃかっこいいです。今度から家に鍵をかける時は同じようにしたいと思います。

ハリーは「Manners maketh man」(人間がマナーを作るんだ)と言いながらドアを閉め、近くにあったグラスを傘の柄で引っ掛けチンピラに向かって投げます。

もうそのセリフは名言ですよね。キングスマン好きならみんな言えると思います。

そっからはもうアクション満載の戦闘。どんどん倒していきます。一人で全員を片付ける様はかっこいいとしか言いようがありません。

ちなみに「Manners maketh man」のmaketh。なんか見たことないような単語ですよね。実はこれmakeの三人称単数現在形

日本語でいう古文のようなもので、現在使われているmakesと同じような意味になります。

これは勝手な憶測ですが、アメリカとイギリスの英語の違いを表現する為に、わざと昔の英語であるmakethを使用した皮肉ではないかと思います。

三人称単数現在形というのは…

  • 三人称→一・二人称以外すべての名詞
  • 単数→ひとつ
  • 現在形→安定的な話に使う

英語は得意ではないですが、一人称は自分。二人称はあなた。つまりそれ以外のすべての名詞という事になります。

マイ・フェア・レディ

エグジーのスーツを仕立てる為に店にやってきたハリーとエグジー。鏡を見ながらハリーが「生まれの貧しさでは人生は決まらない」という事を映画に例えようとして…

  • 大逆転
  • ニキータ
  • プリティ・ウーマン

この映画を見たことないか?とエグジーに聞くのですが、エグジーはすべて見ていないと。その後エグジーは「マイ・フェア・レディみたいな?」と聞き返します。

大逆転は1983年に公開されたコメディ映画。「人間出世するのは血統か、環境か」という事を証明する為に、エリートとホームレスの立場を入れ替えるといった内容。

ニキータは1990年のフランス映画。警官を殺してしまった少女が、抵抗しながらも暗殺者として頭角を現していくといった内容。

プリティ・ウーマンは1990年公開の、リチャード・ギアとジュリア・ロバーツ共演の恋愛コメディ映画。その年の全米興行収入1位を記録しました。

主題歌である「オー・プリティ・ウーマン」は大ヒットし、誰しも一度は耳にしたことがあると思います。

マイ・フェア・レディは1964年公開のミュージカル映画。ヒロインであるオードリー・ヘップバーンが一人のレディとして成長していくロマンテックコメディです。

エグジーはかなり古い「マイ・フェア・レディ」を知っていたので、驚くハリーでしたが、名前だけは聞いたことがあるって人は多いのではないでしょうか。

キングスマンの訓練

集められた候補がたくさんいる中でキングスマンになれるのは一人。その為訓練や試験などで適性を評価します。

初っ端から寝ている間に水が溢れてきて溺れそうになったり、犬と一緒に過ごしながら鍛えたり、パラシュートで降下して敵に気づかれないように着陸する訓練など…

降下時には、一人だけパラシュートが開かないと言われ焦る候補生たち。

結局エグジーはパラシュート開かずにロキシーと一緒に落ちましたが、それは嘘で実際はパラシュートは開くようになっていました。

それでも何とか危機を乗り越えたエグジーは最終候補の三名に残ります。

その三人が同じ女性を口説くミッションを与えられますが、睡眠薬を飲まされ、線路の上に縛り付けられます。

それもテストの一環で、敵に正体を言わないかどうかを試していたのです。列車が迫っている絶体絶命の状況でエグジーは最後まで言いませんでした

テストは合格。ロキシーも同じです。しかし嫌な奴のチャーリーは、組織の正体などを話してしまったので不合格。そのまま縛りつけたまま終了となります。

そのチャーリーがあんな事になるなんて…

ジャック・バウアー

エグジーは一緒に過ごしている犬を「JB」と呼んでいます。

最終テストの時にアーサーがエグジーに犬の名前を「ジェームズ・ボンド?」と聞いている場面があるのですが…

  • ジェームズ・ボンド→×
  • ジェイソン・ボーン→×
  • ジャック・バウアー→○

まさかのジャック・バウアーでした。普通スパイ映画の金字塔とも言える『007』の主人公であるジェームズ・ボンドの名前を付けるところですが。

ちなみにジェイソン・ボーンは、マット・デイモン主演のスパイ×アクション映画『ボーン』シリーズの主人公。ジャック・バウアーはアメリカの人気ドラマ『24』の主人公です。

アーサーから犬を撃てと命令されるエグジーですが、映画冒頭でも動物を車で轢かなかった優しい彼は、撃てるはずがなく不合格

それも実は空砲で、犬は死ななかったのです。

ヴァレンタインの計画

億万長者のリッチモンド・ヴァレンタイン。実業家として活躍する彼ですが、とてつもない計画を立てていました。

人類の存続させる為には人が多すぎると。地球にとって人類は「ウイルス」だと。

その為彼は無料で使える携帯電話のSIMカードを量産し、世界中の人々に無料で配りました。ネットも電話も無料で使えるので当然多くの人々がSIMカードを求めます。

しかしそのSIMカードは、人間の攻撃的な本能を活性化させ、抑制する力を弱める事が出来るチップでした。

その計画を阻止しようとハリーは実業家を装いヴァレンタインに近づきます。家に招かれるハリー。高級料理が出てくると思いきやまさかのマック。

ハリーはビックマックを選びます

なぜマック?と思いましたが、おいしいから良しとしましょう。ちょっとしたユーモアが効いた好きなシーンです。

ちなみにその時ハリーとヴァレンタインが映画の話をしており「今のスパイ映画はシリアスすぎてだめ」と言うシーンがあります。

実はこれ今作の監督であるマシュー・ヴォーンの伝えたいメッセージでもあります。

元々この映画を作ったきっかけも、楽しいスパイ映画を作りたいという思いからだそうです。映画のセリフに自分の想いを入れてくるなんてなかなかの演出ですよね。

教会での乱闘

教会に人が集まっており、そこでSIMカードの実験を企むヴァレンタイン。ハリーが潜入して阻止しようとします。

しかし人が狂暴になるなんて知る由もないハリーは、他の人と同様に大暴れ。教会は血の海と化します。

今作の大きな見どころの一つです。もうハリーの暴れっぷりは最高です。覚醒したハリーはめちゃくちゃ強い。そしてちょっとグロい。

はっきりとした描写が多くあるので、モニターで見ていたエグジー同様目を覆いたくなるようなシーンが。

今作がR-15指定になっているのも納得です。

そんなこんなで全員を殺害するハリー。外に出るとヴァレンタインと部下がいました。ヴァレンタインはハリーに銃口を向けます。

普通の映画だったらいろいろとべちゃくちゃ喋って、結局逃げられてしまうのがオチだと。しかしこれは映画じゃない

そう言ってハリーを殺します。まさかの展開に驚きを隠せません。しかしこれもエグジーを成長させるために必要な事なのかもしれません。

爆発が花火みたい

ハリーを失ったキングスマンは信用できるメンバーがいないという理由で、エグジーとロキシー、そしてメカ担当のマーリンの三人でヴァレンタインのアジトに潜入します。

途中まで順調でしたが、そこになんとあのチャールズがいたのです。試験で線路に置き去りにされた彼は「パパに言いつけてやる」と発言しており、それにより安全なメンバーに。

エグジーに復讐しようとしますが瞬殺。5万ボルトが流れる指輪であっという間にやられてしまいます。可哀想ですが…

しかしそのせいで正体がバレたエグジーは逃げます。華麗なアクションを披露する彼はかなり成長しており、めちゃくちゃかっこいです。

しかしヴァレンタインのSIMカードを起動する装置が生体認証の為ハッキングが出来ないと言うマーリン。

現場に戻り直接止めないといけなくなります。もう一度一人で潜り込むエグジー。追い込まれ絶対絶命のピンチに。しかしそこでなんと…

安全側の人間に埋め込まれているチップが爆発し、花火が上がります。

この演出には驚き、そして笑いましたね。とても綺麗な花火。夏の風物詩です。裏切った時の為に超高温で爆発する仕組みになっており、マーリンがハッキングし爆発させました。

こうして何とか難を逃れたエグジー。その時牢に閉じ込められていた王女から「助けてくれたらいい事してあげる」と言われ、それを糧に頑張るエグジー。

ヴァレンタインの部下で義足のガゼルと一騎打ちになります。強い彼女に苦戦しますがつま先から刃が出る靴を使い、彼女に毒をお見舞いします。

残るはヴァレンタイン一人。ガゼルの義足を投げヴァレンタインに突き刺します

こうしてようやく世界の危機を救ったエグジーは約束通り王女の元に戻り「いい事」を楽しむのです。

エンドロール?

世界を救ったエグジーは母親の元に。例のバーで母と再婚相手、そしてチンピラがいる中で母親と一緒に暮らそうと言います。

しかし再婚相手が黙ってるはずもなく、またもやエグジーを挑発。エグジーは映画冒頭でハリーがやったバーでのシーンを再現します

ドアに鍵をかけて「Manners maketh man」(人間がマナーを作るんだ)と言いながら、そばにあったグラスを傘の柄で投げ、再婚相手を倒します。

そのままニヤッとしながら映画はおしまい。亡きハリーの意思を受け継いだエグジーの尊敬する想いが伝わってくる印象的なシーンです。

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