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社会人として働きながら趣味の映画の感想や考察などを書いています。洋画や邦画など様々なジャンルの映画を見ます。

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『インセプション』感想・評価【ネタバレ解説】自分は今何層にいる?最後のコマは…

インセプション 公式Facebook

2010年7月23日公開の『インセプション

クリストファー・ノーラン監督とレオナルド・ディカプリオがタッグを組んだSFアクション映画。あの渡辺謙も出演。ノーラン監督おなじみの難解映画を解説していこうと思います。

映画に対する評価、感想を交えたネタバレ解説気になったポイントを書いています。

Contents

評価

4.2

評価基準について

夢の中という設定が斬新なのと、見るものすべてが新鮮で驚きと謎を与えてくれる映画です。しっかり見ていないと今何層目にいるのかわからなくなってしまいます。

あらすじ・キャストの記事はこちら

感想・解説

良かった点・気になった点

クリストファー・ノーラン監督の才能を十分に感じ取る事ができる映画だと思います。

とにかく作品のアイデアが凄く、作りこまれた設定と緻密なストーリー展開が、映画の中に引き込んでくれます。

人間誰しも見るであろう【】の中で起こる出来事。夢と現実の狭間で葛藤する状況をうまく描いていると思います。

途中から見たらたぶんわけわかりません。集中して見ていないと、夢の何層目にいるのか分からないです。

夢の世界も同時進行で進んで行くので、複雑に絡み合う場面が多く、混乱する人も多いのではないでしょうか

実際自分も「やっと現実に戻ったか~」と思っていたら、実はまだ夢の中のシーンだった事に気づきました。それくらい夢の世界に入り込んでいました。

夢の中でのアクションシーンは、上の階層の状況が反映されるので、無重力の中で敵と戦ったりとなかなか面白い、見たことないような映像です。

オープニングの映像もラストになって理解できるストーリー展開になっており、やはりノーラン監督さすがだなと思える映画です。

長年の構想

クリストファー・ノーラン監督が今作の構想に費やした年月は20年と言われており、アルゼンチン人の作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「伝奇集」から着想を得たそうです。

それを元にノーラン監督は2002年に、夢の中に入り込む泥棒を描いた脚本と、ホテル内で重力が反転する格闘シーンのコンセプト画を提示しました。

それを製作側が気に入り映画化する事が決まったそうです

インセプションとは?

作品のタイトル:インセプション。今作ではエクストラクトという単語も使われています。

・インセプション=植え付ける
・エクストラクト=抜き取る

基本的には、他人の夢に入り込み情報や秘密を抜き取る【エクストラクト】が一般的で、それを仕事としていた主人公のコブ。その分野ではスペシャリストです。

しかし今作のタイトルにもある様に【インセプション】相手の夢、つまり潜在意識に情報を植え付ける仕事を依頼されます。

依頼主はサイトー(渡辺謙)という人物。彼はライバル企業の会長モーリスの息子ロバートに、受け継いだ会社を潰すように仕向ける【アイデア】を植え付けてほしいと。

しかし植え付ける為には、より深く夢の中に入り込まなければならず、コブの相棒アーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は反対しますが、コブは依頼を承諾します。

コブは妻を殺した容疑で指名手配されており、アメリカに入国する事ができません。犯罪歴を消してくれるという条件を出したサイトー。

愛する子供たちに何としても会いたいコブはその条件を呑みます。こうしてチームを集め困難なミッション【インセプション】に挑戦する事になるのです。

日本での撮影も

今作では日本人の役として渡辺謙が出演しています。そして東京の映像や新幹線に乗っている映像も流れます。

コブとアーサーがサイトーの夢の中に入り込み情報を盗もうとするシーンが映画冒頭であります。その時点ですでに何層にも入り込んでいるのでややこしいです。

・サイトーが住んでいる屋敷→第二層
・建物の中でイスに座ってる→第一層
・新幹線の中→現実

ミッション自体はサイトーに絨毯の種類が違う事に気づかれ失敗してしまいます。新幹線から見える風景は、東海道新幹線の静岡県富士川周辺の映像が使われています

これはノーラン監督の要望「緑あふれる田園風景を新幹線が駆け抜ける場所」を考慮して決定しました。

しかし謎なのはコブ達は新幹線で「京都で降りる」と言ってましたが、その後のシーンでは東京の映像が流れています。東京タワー映ってたし…その後東京に行ったのかもしれないです…

階層をわかりやすく解説

やはり一番の難解な部分は今何層にいるの?と言う事だと思います。それを踏まえながらキーワードや夢の構造など解説していきます。

夢の中では…

今作では夢は多層構造。浅い順に第一層、第二層、第三層…となっており、夢の中でまた夢を見ると、より深い階層に行くことができます。

夢の中には潜在意識があり、情報を盗まれない為に潜在意識を鍛えることで、外部から敵の侵入があった場合でも、潜在意識が武装化し守ってくれます

夢の中にいる人間はその夢の持ち主の潜在意識であり、夢の中に知らない人物が入ってくると異物が入り込んだと感知します。その為人間がめちゃ見てきます

現実や夢の上層で何かが起こった時は、音楽を流して戻る合図をみんなに知らせます。

そして夢から覚めるには、夢の中で死ぬか【キック】をします。キックは蹴るという意味ではなく、建物から落ちたり、椅子を倒したりと…

夢の中でも三半規管は機能しているので、平衡感覚を乱す事で夢から覚めることができます。

夢の時間

夢の中の時間は現実の時間の流れと違います。夢の中の時間は現実の時間の20倍ゆっくり流れ、階層が深くなるこどに20倍になります。現実世界の10時間は…

・第一階層→1週間
・第二階層→6ヶ月
・第三階層→10年

夢の設計

夢の世界を構築し設計する行為。今作ではアリアドネが担当しました。夢の世界を自分の記憶に基づいて設計するのはダメ。現実と夢の世界が曖昧になってしまい戻れなくなる為です。

単純なものではなく、標的が現実だと思うような、リアルで緻密な設計が必要になります。

夢の構造には「ペンローズの階段」が取り入れられています。これは騙し絵で、ライオネル・ペンローズとロジャー・ペンローズが考案した図形です。

トーテム

夢か現実かを確かめる為の道具。コブはコマを回して確認していました。コマが回り続けると。コマが途中で止まると現実です。

これはエンディングにも出てくる重要なシーンなので、覚えておくとより楽しめます。

コブはコマを持っていましたが、コマに限定されているわけではありません。アリアドネ(エレン・ペイジ)は自分でチェスのコマを持っていました。

ドリーマー

夢の持ち主であり、各階層ごとにドリーマーが必要になります。夢は共有することができ、共有しながらミッションを挑戦していきます。

第一階層

場所ロサンゼルス
共有メンバーコブ・サイトー・ユスフ
アーサー・アリアドネ
イームス・ロバート
ドリーマーユスフ
目的父との関係を
見つめなおす機会を作る

ターゲットであるロバートの夢の中に入り込む為に、彼の乗る飛行機に同行し、フライト中にインセプション(植え付け)を試みます。

ドリーマーはユスフ。大雨が降っていたのは彼がシャンパンの飲みすぎで尿意を催していた為です

早速夢の中のロバートを誘拐し、金庫の中身を聞き出そうとするのですが、謎の敵に追われてしまいます。

驚くコブ達。銃撃戦になりサイトーが負傷します。ロバートの夢の潜在意識は訓練されており武装化された潜在意識が襲ってきたのです。そこでコブから衝撃の事実を聞かされます。

もし今夢の中で死ねば【虚無】に落ちてしまう

この虚無というのは潜在意識の奥深くにある場所で、現実に戻っても心は戻ってこなくなってしまいます。負傷するサイトーを気遣いながら…

変装のプロ:イームス(トム・ハーディ)がロバートの父親モーリスの右腕であるブラウニングに変装し、捕まってるふりをして番号を聞き出そうと試みます

しかし追手がやってきた為車で逃走します。

第一層ではその後橋の上で車を落とされ、川に落下するシーンが度々映されます。かなりスローモーションなので疑問に思う方もいるかと思いますが…

第一層の時間の流れと下層の時間の流れとは違います。車が落ちるのは数秒でも第二層では数十分。第三層では数時間なのです。

第二階層

場所ホテル
共有メンバーコブ・サイトー・アリアドネ
アーサー・イームス・ロバート
ドリーマーアーサー
目的ロバートに自分が
何をしたいのか考えさせる

コブはマーケティング部のグリーンという人物を装い第二層にいるロバートに話しかけます。

彼はわざとロバートに「ここは夢の中だ」とわからせる【ミスター・チャールズ】作戦を実行します。このミスター・チャールズ作戦。作戦名に特に意味はありません。

潜在意識の混乱を招く為の作戦であり、あえて夢の中と教えることで相手を動きにくくするのが目的です。

コブはロバートが誰かに狙われている様に仕向け、追手を倒しながらホテルの一室に。そこにイームスが変装したブラウニングがやってきます。なぜブラウニングが?

ブラウニング(イームス)は黒幕を装い「遺言は挑戦状だ」と言います。

何か隠してると嘘を付くことで自ら三層目に行きそれを探るように仕向けます

コブ達が第三層に入った時には、第一層でカーチェイスを繰り広げていた車が回転しながら道路から落ちていきます。

そのせいで第二層は回転した無重力状態になり、ホテルに残っていたアーサーは、空中で敵と戦います。

第三階層

場所雪山
共有メンバーコブ・サイトー・アリアドネ
イームス・ロバート
ドリーマーイームス
目的自分の道を進むという
結論に辿り着かせる

第三層は雪山です。大きな建物があり、その中に金庫らしきものがあります。イームスが囮になり、その隙にサイトーとロバートが潜入。

何とか潜入する事に成功したロバートとサイトーですが、そこにモルが現れロバートを撃ち殺します。すかさずモルを撃ち殺すコブ。

しかし夢の中で死んだロバートは【虚無】に行ってしまいます。モルと負傷により息絶えたサイトーも。作戦は失敗だと伝えるコブに対し、アリアドネは…

一緒に虚無に行き、ロバートとサイトーを助けようと提案

第一層で川に落下した為、第三層では雪崩が起きます。その後虚無に行ったアリアドネとロバートがキックで戻ってきます。

それと同時にロバートに電気ショックを行い、生き返らせることに成功します。ロバートは金庫を開けます。その中には父親のモーリスが病床に。

父と話すロバート。モーリスが死んだ時聞き取れた単語【失望した】の意味は「お前には失望した。父さんは超えられない」ではなく…

失望したのは、わしを真似るからだ

そして金庫を開けるとその中には遺言状と…風車が入っていました。父との思い出の写真に写っていた風車を、モーリスは大切に保管していたのです

こうして第一層に戻ったロバートは「自分の道を行け」という遺言を信じ、インセプションすることに成功しました。

虚無

場所奈落を繰り返す街
共有メンバーコブ・アリアドネ・ロバート
ドリーマーコブ
目的ロバートとサイトーを
救い出す為

崩壊し続ける街に落ちたコブとアリアドネ。コブとモルは50年間ここで暮らしていました。モルを捜しに行く途中住んでいた家の横を通ります。そして…

モルの潜在意識を見つけるのですが、そこでコブはこう言います。

モルにインセプションした

以前やったことがあると言っていたのは、モルに対しての事でした。

モルは虚無が現実だと思っており、現実に帰ろうとしませんでした。その為コブはモルに対し「ここは現実じゃない」という考えをインセプション(植え付け)したのです。

無事に現実に戻ることができた二人ですが、モルの中には「ここは現実じゃない」という考えが残ります。

葛藤するモル。そして記念日に事件が起こります。コブが部屋に戻るとホテルの窓の外にいるモル。今にも飛び降りようとしています。

必死に止めるコブでしたが、モルは「ここは現実じゃない」と思っており、現実が夢の中だと思い込んでいます。夢の中で死ねば現実に帰ることができるので…

一緒に現実に戻ろうとコブに呼びかけます。しかしコブは「ここは現実だ」と必死に説得しますが、結局モルは飛び降りて亡くなります。

コブはモルが死んだのは自分のせいだと思いこみ、罪の意識に苛まれて生きてきたのです

ロバートの居場所を教えてもらう代わりに、ここに残る事を決めるコブ。コブはモルに対し「似せてはみたけど、君は影でしかない。君じゃだめなんだ」と言います。

それに激高したモルはコブをナイフで突き刺します。とっさの事だったので驚くコブでしたが、アリアドネがすぐにモルを銃で撃ちます。

ロバートを突き落とし、アリアドネ自身も飛び降り、第三層に戻ります。

なぜ虚無から戻れた?

ではなぜ虚無に落ちたロバート達が戻ってこれたのでしょう?

それは虚無に落ちた際に夢を共有している人物の中に、一度虚無に落ちたことのあるコブがいたから

彼は虚無でモルと50年間過ごしていました。その際に目印を作っておき、それを頼りに潜在意識を見つけ出すことが出来たのです。

コブはモルの潜在意識はすぐにわかりましたがサイトーの居場所は行方知れず。彼を連れ戻すと約束し、長い年月をかけてサイトーを探し出します。

オープニングで老いたサイトーと会うコブ。あれは虚無の中の話で、ようやくサイトーを探し出す事に成功したシーンでもあります

主要キャストの名前の頭文字

主要キャストの名前の頭文字を並べると…

・D(ドム・コブ)
・R(ロバート)
・E(イームス)
・A(アリアドネ・アーサー)
・M(モル)
・S(サイトー)

DREAMS。つまり夢になります。細かなこだわりも、クリストファー・ノーラン監督の鬼才ぶりが窺えます

コブはサンスクリット語で【】とう意味。旧約聖書に登場するヤコブにも関係があるかも。ユダヤ人はみんなヤコブの子孫だと考えられており、リーダーにはふさわしい名前です。

モルはギリシャ神話に登場する夢を司る神「モルペウス」が由来の可能性があります。

アリアドネはギリシャ神話に登場する女神。テセウスを助けたことで知られています。虚無に落ちたアーサーを助けているのに関係が?

アーサーは「アーサー王と円卓の騎士」で知られるアーサー。聖剣を携え多くの冒険をしています。コブの相棒にはぴったりです。

ユスフはコブがヤコブだとすると、その弟ヨセフから取っているかもしれません。

ラストのコマのシーン

みなさん気になるシーン。最後にコブが子供たちに会いに行きます。机の上でコマを回し、子供たちの方に駆け寄りますが…

そのコマが回っています。しかし止まりそうになりかけたところで映画は終わります。結局どっちなんだ?夢なのか?現実なのか?と論争が起こることに。

先程も言いましたが、コマが回り続けると夢。コマが途中で止まると現実です。

夢の中に出てきていないモルの父親マイルス教授がいるという事は、現実であるという意見もあるそうですが、結局の所わかりません。

その答えを知っているのはクリストファー・ノーラン監督だけです。あえて終わり方を曖昧にする事で、我々に考える楽しみを与えてくれたのかもしれません。

ロバートが自分で意思決定をしたように、それを決めるのも私たち自身というメッセージを送っているのかも…?

ファミマが…

これは完全な余談になるのですが、コブ達が夢の中に潜入する為に話しあっているシーンの背景に、日本のコンビニ「ファミリーマート」が映りこんでいます。

ちなみに今作の監督であるクリストファー・ノーランが製作総指揮をしたスーパーマンを主人公とした作品『マン・オブ・スティール』ではセブンイレブンが登場

めちゃくちゃ破壊されています。もしかしたらノーランは日本のコンビニが好きなのかな?

あらすじ・キャストの記事はこちら

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