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『Fukushima50』感想・評価【後半ネタバレ解説】想像を遥かに超える恐ろしさ

2020 7/09

Fukushima50 公式Facebook

2020年3月6日公開の映画『Fukushima50

2011年3月11日に発生した東日本大震災から今年で9年が経ちます。

復興オリンピックと位置付けられている2020年に、改めて当時の状況などを再現した、実話に基づく今作について、解説していきたいと思います。

Contents

評価

3.8

評価基準について

日本人なら一度は見るべき映画だと思います。今まで自分が想像していたよりもずっと壮絶な映像で、実際の現場の雰囲気を知ることができます。

あらすじ

マグニチュード9.0、最大震度7という巨大地震が起こした想定外の大津波が、福島第一原子力発電所(イチエフ)を襲う。

浸水により全電源を喪失したイチエフは、原子炉を冷やせない状況に陥った。

このままではメルトダウンにより想像を絶する被害をもたらす。

1・2号機当直長の伊崎ら現場作業員は、原発内に残り原子炉の制御に奔走する。

全体指揮を執る吉田所長は部下たちを鼓舞しながらも、状況を把握しきれていない本店や官邸からの指示に怒りをあらわにする。

しかし、現場の奮闘もむなしく事態は悪化の一途をたどり、近隣の人々は避難を余儀なくされてしまう。

官邸は、最悪の場合、被害範囲は東京を含む半径250㎞、その対象人口は約5,000万人にのぼると試算。それは東日本の壊滅を意味していた。

残された方法は“ベント”。いまだ世界で実施されたことのないこの手段は、作業員たちが体一つで原子炉内に突入し行う手作業。

外部と遮断され何の情報もない中、ついに作戦は始まった。皆、避難所に残した家族を心配しながら―

Fukushima50 公式サイト

スタッフ・キャスト

スタッフ

  • 監督:若松節郎
  • 脚本:前川洋一
  • 音楽:岩代太郎
  • 原作:門田隆将

キャスト

吉田昌郎
渡辺謙
福島第一原発所長
伊崎利夫
佐藤浩市
福島第一原発
1・2号機当直長
前田拓実
吉岡秀隆
5・6号機当直長
大森久夫
火野正平
管理グループ当直長
平山茂
平田満
第2班当直長
井川和夫
萩原聖人
第2班当直副長
加納勝次
堀部圭亮
第1班当直副長
矢野浩太
小倉久寛
第3班当直長
本田彬
和田正人
第1班当直主任
工藤康明
石井正則
管理部当直長
内藤慎二
三浦誠己
5・6号機当直副長
西川正輝
堀井新太
第1班補機操作員
宮本浩二
金井勇太
第1班補機操作員
小宮弘之
増田修一朗
第1班補機操作員
山岸純
須田邦裕
第1班当直主任
浅野真里
安田成美
緊急時対策室総務班
野尻庄一
緒方直人
発電班長
樋口伸行
皆川猿時
保安部部長
(復旧班長)
佐々木明
小野了
防災安全部部長
五十嵐則一
金山一彦
復旧班電源チーム
望月学
天野義久
復旧班注水チーム
福原和彦
田口トモロヲ
ユニット所長
(副本部長)
竹丸吾郎
段田安則
東都電力フェロー
小野寺秀樹
篠井英介
緊急時対策室総務班
内閣総理大臣
佐野史郎
内閣総理大臣
(菅直人)
内閣官房長官
金田明夫
内閣官房長官
(枝野幸男)
原子力安全委員会委員長
小市慢太郎
原子力安全委員会委員長
原子力安全・保安院院長
矢島健一
原子力安全・保安院院長
経済産業大臣
阿南健治
経済産業大臣
(海江田万里)
首相補佐官
伊藤正之
首相補佐官
福島民友新聞記者
ダンカン
福島民友新聞記者
伊崎遥春
吉岡里帆
伊崎の娘
伊崎智子
富田靖子
伊崎の妻
伊崎敬造
津嘉山正種
伊崎の父
滝沢大
斎藤工
遥春の恋人
前田かな
中村ゆり
前田の妻
松永
泉谷しげる
避難住民
辺見秀雄
前川泰之
陸上自衛隊陸曹長
ジョニー
ダニエル・カール
在日アメリカ軍将校

映画を観るなら…

『Fukushima50』は以下の動画配信サービスで配信されています。

感想・解説

良かった点・気になった点

毎年3月11日になると、メディアなどは《東日本大震災》を取り上げ、被災地の様子を映しています。

そのような映像を今まで見てきましたが、今回この『Fukushima50』を見ることで、改めて地震や津波、そして原発の恐ろしさを知ることができました。

映像がリアルに描かれており、臨場感が凄かったです。テレビ越しに見ている映像とはわけが違います。

あの日現場で何が起こっていたのか。その様子を映画という形で体験することができます。

今作は賛否両論があるみたいで、新型コロナウイルスの影響で公開も危ぶまれていましたが、今公開する事に意味があると思います。

今年で震災から7年が経ちますが、今では震災の日以外は、話題になることが少ない為、気に留めない方も多いかもしれません。

震災を忘れてはならない》と耳にしますが、忘れないことがすべてではないと思います。

大事なのは経験を未来に向けてどう活かすか。

その為の教訓として、しっかりと胸に刻むんでいただきたい。そういう思いで観てもらいたい映画です。

しかし映画の内容に批判の声もあります。

実際に被災した方々にとっては、こんな生易しいものじゃない。事実とは異なった演出で、いいように脚色されている。そういう意見もあるかもしれません。

被災しなかった人にとっては、聞いたことがすべてなので、実際に体験していないとわからない恐ろしさがあると思います。

確かに間違ったストーリーが世間に周知されてしまったら、憤慨するのも無理はありません。

映画なので多少の脚色があるのは、しょうがないとは思いますが、やはり伝えたいことが違うニュアンスで伝わってしまったら、いたたまれない気持ちにもなります。

被災していない僕にとってはいろいろと意見する資格はないですが、これだけは言えます。

それは…

福島の現場の臨場感

臨場感という言葉が適切ではないのかもしれませんが、事実がどうだろうと、目の前で爆発事故が起こったり、巨大な津波が襲ってくる様子がどのようなものだったのか。

それは少しながら理解できたと感じます。

実際に生で見るのとは雲泥の差があるかもしれませんが、それでも今までの想像していた東日本大震災より遥かに惨劇だったのだと再認識する事ができました。

これは多くの人に見ていただき、どういう出来事が起こっていたか知ってもらう、いい機会だと思います。

今の若い世代の人たちにも、是非知ってもらいたい。できれば義務教育で映画を鑑賞してもいいくらいです。

ですが映画館で見ることを強くおすすめし、いつか映画館以外で見る機会があれば、携帯をいじらずに真剣に見てほしいと思います。

事実に基づいた物語

今作は東日本大震災による《福島第一原発》の事故について事実を元に描いています。

実際に震災直後はかなり頻繁にニュースをやっていたのを覚えています。

自分がその時何をしていたかもはっきりと覚えているくらい、印象に残っている出来事です。

映画では地震により、福島第一原発の原子炉の冷却機能が停止し、従事者がそれらの復旧作業や応急措置などにあたります。

度重なる原子炉爆発事故により非難を余儀なくされたのにもかかわらず、その場に残り作業を続けた人たちを、海外メディアは…

フクシマ50

と呼びました。しかし実際はかなりの被害により一時避難しなければならず、現場に戻った時は約180人くらいにまで増えていたそうです。

そのフクシマ50の人たちですが、名前などの情報は一切公表されておらず、特別に手当てがでるわけでもなかったそうです。

それでも仕事に誇りを持って、勇敢に立ち向かう姿には感銘を受けました。

さらには米軍の協力も得ての撮影だった今作。在日米軍横田基地の中での撮影シーンもあり、実際にヘリを飛ばす場面もあります。

在日米軍の協力は、日本映画にとって初めての出来事です。

オープニングからすごい

オープニングからいきなり震災のシーンが流れます。

地震によって作業員は避難指示がでるのですが、大丈夫だろと楽観視している人もいます。

ですがその後大きな津波が襲ってきて、原発が津波に覆われてしまいます。

厳かな雰囲気と、津波の映像が、あたかも自分がそこにいるような感覚になる。そのぐらい迫力のある、怖い映像になっています。

水の中の映像も映しだされており、恐怖感を煽るような描写です。

途中で爆発シーンもあるのですが、静かな場面からいきなり爆発するのでびっくりしました。

タイトルコールで「Fukushima50」と画面に映しだされるのですが、その時の絶望感を映画を観終わった今でも覚えています。

いきなり上から津波が襲い掛かってくる。誰も予想なんてしていないですよね。

最近では《想定外》《予想外》などの言葉を耳にしますが、それってただの言い訳ですよね。

人間は実際に身をもって体験しないと、わからない生き物です。

いつくるか分からない大地震も、一度も体験していなければ、危機感もほとんどないのが現状です。

実際僕もそうです。

しかしこの映画を観て、少しでも危機感を持ってもらうことができれば、普段から備蓄するなどの対策をする意識が持てるようになると思います。

現場での葛藤

その後原発がある建物の中に入らなければいけなくなります。

現場を指揮する原発1.2号機当直長の伊崎(佐藤浩市)は、所長から「何人か選んで行け」と言われ悩みます。

伊崎は「行きたいと思う奴は手をあげてくれ」と呼びかけますが、誰も行こうとはしません。

それはそうですよね。被爆する可能性も十分にある状況で、進んで行きたいと思う人はなかなかいません。

しかし最初から伊崎は、自分は行くことを決めていました。

そんなリーダーの決意に感化され、「自分も行きます!」とみんな手をあげます。

信頼しているからこその出来事であり、伊崎は部下からも慕われています。

みんな手をあげていたのですが、周りに流されてあげた人もいました。

そういった演出がよりリアルな感じを出していて、現実的でもあります。

見ていて辛くなるシーンもたくさんあります。

爆発事故や津波被害は勿論の事、人間同士の激しいやりとりも注目していただきたいです。

現場は騒然としていて、誰も体験したことのない事態なので、焦っています。

急を要する状況も多いので、怒鳴り散らす場面も多くあります。朗らかなシーンなんてほとんどありません。

逆に静けさを感じさせるシーンは要所要所で使われており、被害に遭うシーンと明確に分けることで、メリハリをうまく演出していたと思います。

原発の建物の中に行く人を決め、二人一組で出発するのですが、放射線が1000ミリシーベルトを超えそうになったらすぐに戻れとの指示が出ます。

二番目に行った二人の男・工藤と矢野は、あと一歩の所で、安全弁を開く任務を達成することができず、やむなく帰ってきました。

他の人は「お疲れ様」と声を掛けるのですが、悔しさがこみあげてきて、土下座して謝っていました。

さらには「もう一度行かしてください」と懇願する場面もあります。

自分の使命を果たせなかった事への悔しさが表現された、緊張感のあるシーンです。

海水注入

そして官邸とのやりとり。所長の吉田を演じる渡辺謙は基本怒鳴ってます。

無茶な要求や、現場をかえりみない指示などで、まるで喧嘩しているような感じです。

東京から指示を出している上層部に対して「てめえが現場に来いよ」と怒鳴り散らします。

そのくらい休む暇もなく作業員が働いている状況です。廊下にも床で寝ている人がいたりと、すし詰め状態になっています。

そして命令を無視することもありました。

東京電力の本社から《海水注入》を停止するように命じられました。真水ではなく海水を注入することで、原子炉が損傷するのを懸念したからです。

しかし注入を停止すれば原子炉を冷やすことができないので、秘かに続行します。

上層部から指示がある前に、部下に「今から俺がいう事は聞くな」と耳打ちし、吉田は海水注入を停止したかのような指示を出しましたが、実際は続いていました。

結果的に功を奏したのか、莫大な被害が出るには至りませんでした。

当時の原子力安全委員会の委員長だった教授も「もしあそこで海水注入を止めていたら、東北や関東は住めない地域になっていたかもしれない」と語っています。

所長の勇気ある決断が日本を救ったと言えるでしょう。

そもそも原子力発電って?

原子力発電は、世界中で行われている発電方式です。

特徴として…

  • 発電段階でCO2を排出しない
  • 大量の電力を安定して供給
  • 燃料の再利用が可能
  • 放射線の管理が必要

エネルギー資源が少ない日本にとっては、効率が良い発電方法です。

原子力発電は、ウランの核分裂によりエネルギーを得て、水を沸かして、蒸気の力でタービンを回転させ、電気を作ります。

出典:日本原子力文化財団

劇中では《未来のエネルギー》と言われていますが、メリットばかりではなく、放射線の問題があります。

実際に《東日本大震災》によって、その問題は一気に世界に広まったと思います。

何年も前ですがチェルノブイリ原発事故が起きたり、日本でも東海村JCO臨界事故が起こるなど、以前から問題がありました。

東海村の臨界事故では、三名の作業員が被爆し、一番放射能を浴びた当時35歳の作業員は、染色体が破壊され、新たに細胞を作り出すことができない状態になっていました。

16~20シーベルトの放射線を被爆しており、皮膚も形成されなくなっていた為、かなりの被害でした。

  • 1シーベルト【吐き気などの症状】
  • 3~4シーベルト【約50%の人が死亡】
  • 6~7シーベルト【99%の人が死亡】

ちなみに一般人の年間被爆限度は《1ミリシーベルト》です。

1000ミリシーベルトで1シーベルトでなので、東海村で被爆された方は約20000倍の放射能を浴びていたことになります。

そう考えるとものすごく怖いですよね。

福島第一原発の事故

東日本大震災で震度6強(マグニチュード9.0)を観測しました。これは《1000年に一度》と言われる大地震です。

その影響もあり、福島第一原子力発電所では、運転中であった1〜3号機の原子炉がすべて自動停止しました。

しかし、地震によって設備の損傷や鉄塔の倒壊が起こり、津波によって、甚大な被害をもたらしました。

当初想定されていた津波を大幅に超える約13mの津波が発生し、原子炉の建屋などが浸水し非常用電源が停止し、全電源喪失(SBO)が起こりました。

今作では聞き慣れないワードが度々出てきますが、所々で解説してくれるので、そんなに気にしなくても大丈夫だと思います。

ちなみに《SBO》はステーション・ブラック・アウトの略で、すべての電源を喪失する事を意味します。

それにより原子炉を冷やすことができなくなり、空焚きの状態になります。

最悪の場合、炉心溶融によって大爆発を引き起こし、放射線をまき散らしてしまう可能性があります。

出典:日本原子力文化財団

炉心融解とはメルトダウンの事であり、劇中でもその言葉が何度も使われていました。

原子炉ないの燃料体が、過熱により溶けてしまうことを言います。

さらに今回の事故では、原子炉が冷却できないことにより、原子炉内の圧力が上昇し、いつ爆発してもおかしくない状況が続きました。

その為安全弁を開けて、蒸気を原子炉から外へ放出しました。

映画で、作業員たちが必死にハンドルみたいなやつを回していたのは、この安全弁を開ける作業です。

フィルタを通して外に出すのですが、それでも放射線を放出することになるので、近隣の住民には避難指示が出されました。

この事故を機に《フィルタ付ベント》が全国の原子力発電所で設置されることになりました。

実際の映像

映画のラストでは、2014年に撮影された実際の映像が流れました。

住むことができる地域はふえたものの、帰還困難区域にはまだ入れなかったりします。

建物も当時のまま残っていたりと…悲惨な状況が映しだされていました。

事故当時指揮を執っていた吉田所長も【食道がん】で、2013年に亡くなられました。

原発事故との直接の因果関係はないようですが、葬儀には多くの原発関係者や総理などが参列しました。

今回の映画では、吉田所長やその部下たちの緊迫した現場でのリアルなやり取りを見ることができます。

何か考えさせられるものがある…そんな映画だと思います。

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